相談事例集
相談事例集⑨ その他取引条件の一方的な設定・変更・実施

契約書に記載のないクレジットカードによる売り上げの手数料の負担を一方的に負担させられることを求められた事案(美容師・30代) ※他にもマッサージ、エステ等にみられる事例

相談内容

私は、フランチャイズ展開している美容院で働いています。私は店舗に午前9時から午後5時までいなければならないことになっています。お客様からの指名があれば、指名を断ることはできず、指名がないお客様の担当美容師の割り振りも、店舗が行い、その割り振りも断ることができません。
業務委託契約書は、締結していますが、報酬は出来高払いとなっています。お客様が、クレジットカード支払いの場合、売上金の5%が手数料としてかかるところ、その手数料の負担を全額、私たち美容師が負担するよう求められることになりました。これまでは、そのような取扱いになっていなかったのに、一方的に負担するよう求められ、それは納得できないと伝えても聞き入れてくれません。

回答内容

まず、店舗での拘束時間が決まっており、店舗がお客様の割り振りについては断わることができない運用になっていることからすると、契約書は業務委託契約の名称になっているものの、労働基準法上の労働者として扱うべき事案とされる可能性がある。労働基準法上の労働者と扱われる場合は、労働基準法24条の賃金の全額払いの原則が適用され、一方的に賃金から、クレジットカード売上の手数料相当額を控除することは出来ません。
また、契約内容が、業務委託契約であったとしても、一度、合意した契約内容を変更するためには、当事者の合意が必要で、一方的に変更はできません。クレジットカードによる売り上げの手数料の負担の全額を、これまで店舗負担であったところ、受託者のフリーランスに一方的に負担させる契約内容に変更するよう求め、それに応じなければ契約を解消するようなことを求められるようなことがあれば、フリーランスガイドラインが定める、「その他取引条件の一方的な変更」に該当し、独占禁止法が定める発注者の優越的な地位を濫用した不公正の取引と判断される可能性もあります。
いずれにしろ、店舗側が、当事者の合意もなく、取り扱いを変更し、勝手に、クレジットカード払いによる手数料分を控除することは出来ません。

ポイント

契約書の内容を変更する場合には、契約当事者の変更の合意が必要です。一方的に変更はできません。発注者がフリーランスに不利な条件に契約を変更することを求め、それに応じなければ、これまで続いていた契約を解除すると求める行為は、発注者の優越的地位を濫用した不公正な取引となる可能性があります。

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